福羽イチゴプロジェクト
新宿御苑で誕生した国産イチゴの始祖「福羽イチゴ」を本学で栽培
2024年、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】は創基150周年を迎えました。また、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】創基の地は新宿御苑でした。これを記念し、本学では新宿御苑管理事務所と様々な共催企画を実施しています。新宿御苑と本学とのつながりを広く知っていただくきっかけのひとつとするため、新宿御苑に保存されている日本の栽培イチゴの始祖品種「福羽イチゴ」を本学で栽培する試みを行いました。
福羽イチゴとは
パリの種苗商から取り寄せた「ジェネラル?シャンジー」という品種を、福羽逸人氏(※)が選別と養成によって改良した優良種。明治33年(1900年)に作出し、 「とちおとめ」「あまおう」「女峰」「とよのか」など、現在流通する日本のイチゴの始祖となっている。当時は皇室献上用で門外不出の果物だったが、大正時代に促成栽培用の高級品種として全国に普及した。長細い楕円形の大ぶりなイチゴで色?形?味?香りともに優秀な品種として、世界的にも名声を得るほどの有名なイチゴになったが、現在、栽培しているところはほとんどない。
※福羽逸人氏(1856-1921):日本の近代園芸の基礎を築いた人物。新宿御苑係長として、明治39年(1906年)に皇帝庭園「新宿御苑」を完成させた。
「福羽イチゴ」の栽培
2022年8月に10株の苗を新宿御苑から譲り受け、農学部生物生産学科 園芸学研究室の鈴木栄准教授、髙橋さくら助教の指導および研究室の学生の協力のもと、府中キャンパスのグローバルフルーツファクトリーで、学生広報スタッフが栽培を行いました。近年栽培されている新しい品種に比べ、病気や害虫に弱かったり、実が小さく収量が少なかったりと、栽培には様々な苦労がありましたが、2024年春には、約140株に増えた苗から、約17kgのイチゴの実を収穫することができました。
記念事業での活用
収穫したイチゴは、農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センターで加工し、500瓶の福羽イチゴソースを作りました。福羽イチゴソースは、新宿御苑との共催企画への参加者等に配布することで、多くの方に本学のルーツに目を向け、現在の本学の様々な取り組みに関心を寄せていただく契機として活用しています。
福羽イチゴの保全への貢献
創基150周年記念事業の終了後も、「福羽イチゴ」を園芸学研究室で引き続き栽培していく予定です。希少な植物種を複数の場所で栽培することは、絶滅のリスク分散につながることから、本取り組みが、「福羽イチゴ」の種の保全に貢献することにつながることが期待されています。