マイクロリアクタ
従来の大量生産、大量消費の社会から持続可能な社会へ転換するためのツールとしてプロセス強化という考え方があります。プロセス強化とは生産性や装置サイズ、省エネルギー性などの飛躍的な向上のための新たな装置、技術の開発を目指すことです。プロセス強化のひとつとしてマイクロリアクタがあります。
マイクロリアクタとは、非常に直径の短い管型反応器(PFR)の事です。反応器が小型である事により以下のような特徴が現れます。
?反応器体積あたりの表面積が大きい(高比表面積)
反応器の内壁に触媒を付けた場合、単位体積あたりでは流体と触媒の接触が増えます。
?熱応答性が良い
加熱あるいは冷却した際に反応器内に温度分布が出来ずに均一な条件に出来ます。
?集積化が可能である(ナンバリングアップ)
マイクロリアクタを幾つも並列させてつなげ、実験室で検討した条件のまま工業化が可能になります。
従来は研究開発から工業化する際にフラスコで検討した反応条件とは別に大きな反応器に適応した反応条件
を検討しなければなりませんでしたが、マイクロリアクタの利用によってこの行程を省く事が出来ます。
構造体触媒とは従来の粒状触媒とは異なる触媒であり、一般に粒状触媒と比較し以下の点で優れています。
?圧力損失が低い
?反応炉内の温度均一性が高い
マイクロリアクタに構造体触媒を導入する事でよりエネルギー効率、触媒活性、選択性の高い反応器の設
計可能になります。構造体触媒の具体例を以下の図にまとめました。