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体験談

「ラボステージ」CASE2

クラスステージを修了し、ラボステージに進んだ参加者たちは、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】の研究室に所属し、個別の課題研究に取り組みます。ラボステージに参加した先輩たちは、どのような体験をしたのでしょう?

続けてきた蚕の研究を軸に
農学分野をさらに幅広く知りたい!

小田橋佳奈さん

群馬県立前橋女子高等学校3年
(2018年度GIYSEプログラム参加)

ラボステージについて

ラボステージでは、どのような研究に取り組みましたか?

高校で取り組んでいる実験の延長で、蚕の光走性(ひかりそうせい/こうそうせい)について研究しています。光走性とは、光の方向に向かっていく性質のことで、祖先種は持っていたものと考えられています。蚕は、野生種であるクワコから家畜化されていく過程で、光走性を持つ品種?持たない品種、さらに光を避ける品種などに独自に進化しました。そこで私は、さまざまな品種の蚕に光を当て、その特性を調べ、光走性の遺伝的を探ろうと考えています。

蚕の光走性の研究に使った実験ノート

GIYSEプログラムに参加したことで研究に変化はありましたか?

ラボステージで、新万博体育_万博体育官网-【官方授权牌照】農学部蚕学研究室の横山岳先生の指導を受けることができ、実験できる蚕の品種が格段に広がりました。また、遺伝学など横山先生の幅広い知見からアドバイスをいただくことで、多角的な実験ができるようになりました。さらに、信州大学の研究室との共同研究の機会もいただき、研究の可能性が広がっています。群馬県から府中キャンパスまで、夏休みや土日を使って通う日々でしたが、最終的に蚕糸?昆虫機能利用関東地区学術講演会での発表に挑戦し、特別ポスター賞をいただくことができました。2020年3月の日本蚕糸学会の学術講演会でも口頭発表する予定でしたが、コロナウイルスのために中止になったのは残念でした。

蚕糸?昆虫機能利用関東地区学術講演会での発表に挑戦

GIYSEプログラムに参加してどのような力が身につきましたか?

実験に関する細かいスキルはもちろんなのですが、何よりも自分で考えて、行動する力がついたと思います。大学で行う研究は、自分で情報を集めて、実験方法を考えて、研究を進めるのが基本です。高校では、自主的に何かをしなくてもグループ活動が終わってしまうこともありますが、自分のテーマ研究ではそうはいきません。 そこで、ラボステージでは、担当の横山先生に直接メールをして、自分の考えを伝え、実験方法を改良していきました。蚕糸学分野のプロである横山先生から直接アドバイスをいただける環境があったのは本当に貴重だったと思います。高校生ながら学会でポスター発表を行い、特別ポスター賞を受賞できた経験は大きな自信になりました。

学会で特別ポスター賞を受賞!
クラスステージについて

GIYSEプログラムを知ったきっかけは?

高校の担任の先生にすすめられて参加しました。高校がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)採択校で、1年次の秋から自分で決めたテーマの研究を行っていましたが、さらに視野を広げたいと思い、参加しました。

クラスステージの第一印象は?

もともと人見知りな性格もあり、最初は他校の生徒も先生もちょっと怖かったです。ただ、積極的に話しかけてくれる子が多く、自分でも驚くほどすぐに馴染むことができました。やはり、理系の実験が好きで、こうしたプログラムに積極的に参加する子たちなので、通じるものがあったのだと思います。クラスステージで知り合った友達とは、今も連絡を取っていて、受験勉強の話などをしています。

クラスステージで印象に残ったことは?

高分子で偏光フィルターをつくる物理系の実験が印象に残っています。グループのメンバーと一緒に、ああでもないこうでもないと方法を考えながら実験をしたのが楽しかったです。
あと、英語ディスカッションの課題も忘れられません。伝えたいことが英語で出てこなくて、大学院の留学生の方たちとの会話をグループの友達に通訳してもらったときは、「もっと英語も頑張らなくちゃ!」と思いましたね。ただ、最終的に英語のポスター発表もやり遂げることができ、英語を話すのが楽しくなりました。

将来について

大学進学のイメージは変わりましたか?

もともと昆虫が好きで、小学生の頃から蚕を飼っていてことが今の研究につながっています。そのため、大学でも昆虫の研究をしたいと思っていましたが、GIYSEプログラムでさまざまな分野の実験を経験し、今は植物系を含めた農学全般に興味が出てきました。今は蚕の病気の研究や蛋白質の解析なども面白そうだと思っています。

将来の夢を教えてください。

ラボステージでも取り組んできた蚕の研究を続けたいという気持ちがあります。ただ、蚕の研究にもさまざまな分野があることがわかってきたので、大学でさらに視野を広げ、社会に還元できる研究テーマを見つけたいですね。まずは、いろいろな大学の農学部でどのような研究が行われているのかしっかり調べたいと思います。