◎ ICFHR 2010で工学府の学生が「ITESOFT best poster paper award」
を受賞

 11月16日(火)〜18日(木)、インドのコルカタにおいて「12th International Conference on Frontiers in Handwriting Recognition (ICFHR 2010)」が開催され、工学府情報工学専攻博士課程の倉純さんが「ITESOFT best poster paper award」を受賞しました。
 ICFHR2010は手書き認識に関する最先端の研究成果が集まる国際学会で、倉さんによる「Techniques to Enhance Images for Mokkan Interpretation(木簡解読のための画像強調処理)」というタイトルで行われたポスター形式の発表が、「ITESOFT best poster paper award」を受賞しました。
 
「ITESOFT best poster paper award」賞状
 
【受賞した研究の概要】
 古代木簡(木片に墨で文字を記した古文書の一種)は1300年近く地中に埋もれており、経年変化・汚損・破損などが著しく、解読が困難となっています。そこで、墨を背景と分離して字体の解像能を向上させるコントラスト拡張、周波数分解、画素類似度計算などの画像処理手法について、古代木簡を用いた実験を行い、これらの技術を古代木簡の状態に応じて適用することで、有効な解読支援が実現できると考えられています。
 
【ポスター資料】
 
【受賞に伴うコメント】
 発表の際に私が意識したことは、簡潔さと誠実さです。ポスターは文章よりも図を多く配置し、短時間で理解できる内容としました。また、口頭での説明がスムーズに行えるように何度も練習を行いました。その結果、多くの方から研究に対する意見をいただき、今までにない視点を得ることができました。
 今回の受賞を通して、達成が難しく思える課題でもまずは挑戦し、自分のできる限りのことを行い、周りの人の助けを求める大切さを実感しました。来年から社会人として働く際に、研究活動や学会発表で得た経験を活かして目標を達成していきたいと思います。
 最後になりましたが、研究に関する膨大なデータ提供やアドバイスをいただいた奈良文化財研究所の渡辺先生、馬場先生、桜美林大学の耒代先生、本学中川先生に心より感謝いたします。
(工学府情報工学専攻博士2年 中川研究室 倉 純)
 
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